写真を撮る時の「はい、チーズ」ってどういう意味

歴史

人によっては異なるかもしれませんが、大抵の人は写真を撮るとき、「はい、チーズ」といってシャッターを切りますよね。

私も特に気にする事もなく、写真撮影時には「はい、チーズ」という掛け声でシャッターを切っていましたが、よくよく考えると「はい、チーズ」ってなんでしょうか?

なぜチーズ?「はい、ポーズ」の方が意味がわかりやすいのですが、なぜそこにチーズが入ってくるのでしょうか。

という事で今回は、写真撮影時の「はい、チーズ」とはどういう意味なのかを調査し、その結果をまとめてみました。

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写真撮影時の「はい、チーズ」の意味とは

通常、撮影者はシャッターを切る直前のタイミングで「はい、チーズ」と言い、それに対して撮られる側はピースサインなど様々なポーズをとるが、この流れは間違い。

チーズとポーズには何の関係もなく、ただ単純に「はい、チーズ」は「チーズって言って」という意味で、撮られる側はそれに対して「チーズ」と言わなければ撮影者はガン無視された事となる。

ちなみにこの掛け声は日本でけではなく、アメリカなどの英語を使う国でも「Say!Cheese!(セイ!チーズ!)」という掛け声で写真を撮影する流れがポピュラーです。
※最近の日本では「はい、チーズ」は古い!と言われており、それは英語圏の国でも同様かもしれない……ので、もしかしたらもはやポピュラーではないのかもしれない……

上記の事より、「はい、チーズ」が写真を撮られる側に対して「チーズって言って」という意味になるのだが、問題はなぜ「チーズ」なのか?という点ですよね。

「はい、チーズ」ってなんでチーズ?その由来は?

英語圏の国では、元より写真撮影の際は撮影される側(被写体)に対し、なにかのワードを言わせて表情を作り出すという撮影法が用いられていました。

チーズという言葉は英語で発音すると「ズ」の部分はほとんど発音しない為、その単語を発する時は口の角度および頬が上がり自然とはにかんだ笑顔が現れる。

その瞬間を写せば、被写体は笑顔の状態で写真に写る事ができる為、写真を撮る際は「Say!Cheese!」という掛け声が用いられている。

ただ、昔からチーズという言葉をつかっていたという訳ではありません。

19世紀後半では小さく、口を少しきつく締めた顔が写真を撮るときの標準の表情であり、その当時は「チーズ」ではなく「プルーン」という掛け声が使われていました。
※日本の昔の写真も、今のように笑顔で人が写ってるものってないですよね。それと同じです。

確かに、プルーンという単語を発すれば、最終的には口を少しきつく締めた厳しい表情ができあがりますね。

しかし、20世紀になる頃には「見るものに対して魅力的な表情」いわゆる「笑顔」が王道となり、そこから「プルーン」が「チーズ」という単語に変わっていったと言われています。

ちなみに、発する事で自然と笑顔の表情ができる単語は「チーズ」という単語だけではない為、国によってはこの「チーズ」が別の単語に置き換わっています。

例えば韓国では「キムチ(韓国での発音は「キムチィー」)」、カナダやブラジルでは「ウィスキー」、中国では「那須(中国の発音は「チィズゥ」)」と、単語を発音する事で笑顔に近い表情を作り出せるものが多い。

日本でも「1+1は?」という掛け声があるが……最近はあまり聞かないような…
(この掛け声で被写体は「2(にぃ)」と答える為、自然と笑顔ができあがる。更に指で「2」を作るポーズ、ようするにピースサインができあがるので、かなり画期的な掛け声だと思う)

「はい、チーズ」の起源がフランスにあるという説も

1825年フランスの発明家「ニセフォール・エニプス」が初めての写真撮影に成功した事から、カメラの発祥はフランスであると言われています。

更に、世界的に有名なチーズの原産地もフランスである事から「カメラ発祥の地であるフランスの代表的な食材「チーズ」を撮影時の掛け声にしよう!」となり「はいチーズ」が流行しだしたという説があります。

ただ、チーズはフランス語では「Fromage(フロマージュ)」であり、更にフランスで写真を撮影する際の掛け声は「CuiCui (キュイキュイ)」である事から「はいチーズ」がフランスで使われ、それが流行したというのは考えにくい。

だれが最初にこの「チーズ」という単語を使いだしたかは不明ですが、もしかすると英語圏の国の写真家が「カメラ発祥の地であるフランスの代表的な食材「チーズ」を撮影時の掛け声にしよう!」と考え、「チーズ」という単語を使い始めたという可能性もあるので、絶対にフランスが起源ではないとも言い切れない。

ちなみに、フランスの写真撮影時の掛け声「CuiCui (キュイキュイ)」というのは小鳥の鳴き声を表しています。

昔のカメラは箱型で、撮影者は小鳥の鳴き声を真似る事で子供たちに「箱の中に小鳥がいるのではないか?」と思わせ、子供達にカメラの方を向かせていたんだとか…

日本で「はい、チーズ」が流行りだしたのはいつ頃?

「はい、チーズ」という言葉が流行りだしたきっかけは1963年(昭和38年)にテレビで流れていた雪印乳業のCMがきっかけとだと考えられます。

CMの内容は、カメラの前で緊張して笑顔が作れない女性モデルに対して外国人が「Say cheese、please」と言い、その場にいた日本人カメラマンがその英語を「チーズって言ってごらん」とすかさず翻訳。

その指示に対し、女性モデルは「チーズ」と言い、そのおかげでいい笑顔の写真撮影に成功。

その後ナレーションで「あなたもチーズと言いましょう。チーズは笑顔を作ります。」でCMは終わる。

このCMが放映されるより15年前の1948年にインスタントカメラが市場に出回り、1960年代には低コストなモデルのインスタントカメラが数多く出回っていました。

要するに、雪印乳業のCMが放映されていた1963年というのは、個人がもてるカメラが普及しており、CMの「Say cheese、please」というセリフが日本中に流行したらしいです。

まとめ

「はい、チーズ」というのは「チーズって言って」という意味であり、その単語を言う事で口の角度および頬が上がり、被写体の表情が笑顔に近くなる為、写真を撮るときに「チーズ」という単語が用いられている。

おそらく最初に使われ始めたのは英語圏の国のだれかで、気まぐれで「チーズ」という単語を用いたのか、「カメラ発祥の地であるフランスの代表的な食材「チーズ」を撮影時の掛け声にしよう」と考え「チーズ」という単語を用いるようになったのかは不明です、すいません。

そして、この言葉が日本に普及し始めたのは1963年(昭和38)に放映された雪印乳業のCMがきっかけではないかとされています。

ただ、日本では「チーズ」と発言しても最後の「ズ」のせいで笑顔に近い表情にはならない為、基本的にこの掛け声に対して撮られる側が「チーズ!」という事はほぼなく、ポーズをとるのが王道です。

冒頭ではこの王道の流れが間違いであると言いましたが、王道であるのであれば一概に間違えとは言えないのかもしれませんね。

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