転職先がブラック企業だったから僅か1ヶ月で退職しました。

美馬の日常

私は東京のとあるIT企業にてシステムの運用や監視業務に携わっていたのですが、これが暇すぎて正直何のやりがいもない。

システムにエラーが発生してもツールが自動的にそのエラーを修正するし、元々は手動だった運用手順も徐々に自動化。どんどんとやる事が無くなり、同じチームにいた人達も仕事中にネットサーフィンをやって一日を終えるという有様。

一般的にみれば、ネットサーフィンをしてお金が貰えるのだから「羨ましい!」と思う人もいるのでしょうが、これが毎日のように続くと通勤中も仕事中も帰宅時も「俺は何をやっているんだろう」と強く思うようなります。この心境は多分、野球部とかでレギュラーになれず、ずっとベンチに座っている人の心境に近いと思う。

結局社内ニートをやり続ける事に病んでしまい、その会社を退職して転職する事に決めました。

まさかブラック企業に転職する事になるとは知る由も無く・・・

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転職した会社の概要について

社内ニートとは言っても、5年間IT関連の業務に携わっていた訳ですから、それなりに技術や知識などは持っていました。その為、同じ業界の方が転職しやすいだろうと考え、私はIT関連の業務に携われる会社をリクルートさんの求人サイトで探していました。

そこで見つけたのが、そこそこ知名度のあるガソリンスタンドを数多く経営している石油関連会社のシステムエンジニアの求人でした。

求人票の概要はざっとこんな感じです。

【給与】
月250,000円~+諸手当(月収例 2年目/月280,000円+諸手当)
【主な仕事内容】
会社の各部署におけるシステムの管理や開発
【勤務時間】
週5日シフト制 8:30~17:45 1日8時間以上 休憩1.25h
【待遇】
各社保完備、昇給年1回、賞与年2回、残業手当全額支給、等

給与は前職とほとんど変わりなし(ちょっと下がるくらい)、業務内容もこれまでの知識をしっかりと活かす事ができる。なにより知名度もある会社だったしインターネットの社員口コミもそこまで悪くはなかったから、「ブラック企業かも」とは微塵も思わなかった。

面接も私と3人の面接官で行いましたが、特に圧迫される訳でもなく皆いい人。「この技術、絶対うちに欲しいね!」なんて言って頂き、面接1週間後には内定を頂きました。

ホント、会社というのは入ってみなきゃ分からないものですよね。まさか、この会社がブラック企業なんて夢にも思いませんでしたよ。

転職した会社のどの辺がブラックだったか

「会社はとりあえず3年はいないと分からないもんだよ」何て言葉をよく耳にしますが、3年どころか1ヶ月程でその実態が明確につかめる会社がある。そう、ブラック企業だ。

例えば、夜道を歩いている時に目出し棒を被った人が包丁を振りかざして迫ってきた場合、どうします?逃げますよね?とりあえず様子を見ようとかならないですよね?

ブラック企業もこれと同じです。入った瞬間から社員を苦しめる凶器を振りかざしてくる訳ですから、そりゃ「とりあえず3年」なんて悠長な事は言ってられません。といっても、この凶器にブスブス刺されながらも必死で働く人もいるんですよね……自分を大切にして下さい。

じゃあ、私が転職した会社はどの辺がブラックだったのか。鬱憤を晴らす積もりで書いていこうかなと思います。

求人に記載されていた内容がほぼ嘘

ブラック企業あるあるですよね、求人票に魅力的な嘘の内容を記載して社員を集める手法って。

求人の掲載料が無料のサイトやハローワークでは結構嘘の求人(詐欺求人)が多いそうなのですが、掲載料がかかるサイトにもあるんですね。まぁそりゃありますよね。

私の転職したブラック企業は、求人票に記載されていた内容がほぼ嘘。驚くほど嘘。特に以下の嘘は犯罪ではないのかと疑うほどに酷いものでした。

■業務内容がまるで違う

求人用に記載されていた業務内容は「会社の各部署におけるシステムの管理や開発」というものでしたが、実際は「お客様対応係や書類の作成等」でした。

例えば、「灯油を買いたいんですけど」という購入希望者に対して、お届け希望日時を聞いたり、その日時で対応可能かどうかを灯油配送部署と連携して確認してみたり、その他、クレーム対応や書類の作成から申請等、システムの管理や開発とは全く違う事務の仕事。

この業務内容を聞かされた時は「まぁ、たぶんシステム関連の仕事と兼任して携わる感じなのかな?」とか思いましたが、ここはブラック企業ですからそんな訳もなく、この事務作業がメイン業務です。

■給与が違う上に残業代込み

求人票に記載されていた給与は「月250,000円~+諸手当(月収例 2年目/月280,000円+諸手当)」でしたが、実際は「月190,000円

入社時に労働条件通知書を見て知った事実。ゾッと身体に寒気が走り、頭には「あぁ、ブラック企業かもしれない」という不安がドッと押し寄せる。

この給与は、事務員として働く者の給与です。先述していますが、私の業務内容はシステムの管理や開発ではなく、お客様対応係や書類を作成・申請する事務作業ですから、求人票とは違う給与が適用されたみたいですね。なるほど納得・・・できるわけないでしょうが。

更に、この190,000円という給与は残業代込みです。ちなみに固定残業代ではなく、「1日2時間残業すればこの給与がもらえるよ」というもの。要するに残業しなければもっと給与が減るという事です。ブラック企業って本当にえげつないですね。これ聞いた時点で退職すべきだったかもしれません。

■週6日のシフト制だった

入社時には私のシフトは既に完成しており、それを見せてもらった時に発覚したのが週6日のシフト制だったという事。

求人票では「週5日のシフト制」とありましたが、まさかここも嘘だったとは・・・正直、ここまでくるとブラック企業に対して関心を抱いてしまいます。よくもまあここまでの嘘を堂々と記載して人を募集できるものだなと。この求人票を作っている人は一体どんな気持ちで作っているのだろうか。

流石にこの時点で退職は考え始めていました。ただ、入ったばかりで退職しずらいという気持ちが強かったのは確かです。多分それがブラック企業の狙いなんでしょうかね。一度入社させて退職しずらい状況を作り出す手法。

1日2時間以上の残業は絶対

私の給与は190,000円ですが、これは1日に2時間の残業をした場合の給与となります。

その仕組みを知らなかった私は、入社時に「給与が違うな」と不満を抱きながらも、この給与で働く事を承諾。その後、上司から「君は190,000円の給与で働く約束したんだから、20時位までは働かないと駄目だよ?」と言われました。

要するに私は「190,000円の給料で納得です」という承諾ではなく、「190,000円の価値がある業務をこなします」と会社側に約束してしまったようです。簡単に説明すると、毎日2時間は残業しますという約束ですね。とんでもないブラック企業っぷりですね。本当にひどいとしか言いようがありませんよ。

4週4休制ですから、単純計算で月の残業時間は少なくとも48時間。これで給与は190,000円です。

前職は社内ニートSEだったので残業時間は0時間、それでおいて26万円程の給料が頂けていました。考えないようにはしていましたが、正直言って前の会社を退職した事を後悔しています。仕事が全くない会社ではあったが、少なくともブラック企業ではなかった。

ちなみに、このブラック企業で1ヶ月働き、実際に残業した総合時間は95時間で、総支給額は24万円でしたとさ。馬鹿げてる。

短髪を強制させられる

多分、これが会社を退職しようと決断した大きな理由だと思います。

会議室に呼び出された私は、部長に一枚の写真を見せつけられた。それは伝説のバンド「Queen(クイーン)」のボーカル「フレディ・マーキュリー」の写真だった。

その写真のフレディは皆が良く知る短髪ヒゲスタイル。そんな写真を見せながら部長は口を開いた。

「うちの副社長さ、髪の毛長い男の人が嫌いなんだよね。多分、これくらい切れば大丈夫だから。」と・・・

私はそんなに髪の毛が長い方ではない。前髪が目にかかっているわけでもなく、耳が隠れている訳でもない。これまで髪の毛が長いなんて一度も言われた事がない。アルバイトで接客業をやっていた時は「爽やかだね」なんて言われた程だ。

それを副社長の好みで強制的にフレディヘアーにされてしまう。よくよく見れば会社にいる男性社員は皆短髪だ。

この会社では身だしなみの自由まで強制されるのか……これがブラック企業というやつなのか。

そう考えた時、流石に退職しようと強く思い始めました。

教育担当だった次長が汚い

お客様対応係に携わる部署の次長さんが、最初の1ヶ月間教育担当者として私の隣に座り、いろいろな業務を教えてくれました。
本当はシステムエンジニアだったんですけどね・・・

ただ、この次長が本当に汚かった。書類などを整理する時は指サックは使わずに指を舐めるタイプの人です。

まぁ、そういう馬鹿人は結構いるので「まぁ仕方ないか」と割り切っていたのですが、その次長さんはとにかくボディタッチが多い人でした。

舐めた指で「よくできました」と肩をポンポンしてきたり、「疲れてんのか~」と肩を揉み解してきたりと・・・

とにかく汚い。本人は良かれと思ってやっているのだろうが本当に汚い。人の気持ちを考えられていない。ブラック企業に勤めている役職のある人って、人の事を考えられない馬鹿な人なんだなぁと実感しましたよ。

ブラック企業に勤めて1ヶ月後

残業も多くて体はヘトヘト、仕事内容も別にやりたくはない上に給料も少ない。そのうえ身だしなみの自由までも制限される。上司も汚い。

ブラック企業に定義はないが、この会社は間違いなくブラック企業であると私は断言できます。これがブラック企業ではなく、一般的な会社だろうと言うのであれば、私はこれ以上社会で生きる事はできません。

まぁ結局、1ヶ月間地獄を見て精神も身体もボロボロになり「こんな会社では長く働く事はできない、辞めるなら早い方がいい」と考え、入社から1ヶ月で退職しました。

世の中には、過重労働による精神的なダメージで鬱になってしまう人や、自ら命を投げ出してしまう人の実態がメディアによって露出し、世間一般的にもブラック企業の存在が認知され始めています。

そんな現状でも、ブラック企業なくなりません。

今後転職をする人、就職をする人は、「とりあえず3年」なんて考えは捨て、自分の勤め先がブラック企業だと確信を持てたら直ぐにでも退職するようにした方が健全です。

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