蜘蛛ってなんで自分の蜘蛛の巣にくっつかないの?

生物

枝と枝、または木と木の間などに糸を張り、その糸を巧みに組み合わせる事で網状の巣または罠を作る「蜘蛛」。

自らが出す糸で作り上げた巣・罠は、一般的に「くもの巣」と呼ばれており、その特徴は網状である以外に、強い粘着性を持っているというものも挙げられます。

その為、虫がくもの巣に引っかかると、そこから抜け出すのは極めて困難であり、我々人間でもくもの巣が服や髪などにくっ付いてしまうと、自力で糸を取り除くのは難しい程である。

そんな強い粘着力を持っているくもの巣なのですが、なぜ蜘蛛は自ら作り出した粘着力の強い糸の上をくっ付かずに移動する事ができるのでしょうか?

という事で今回は、蜘蛛についてを調査し、その結果をまとめてみました。

スポンサーリンク

自分の糸に蜘蛛が引っかからない理由について

くもの巣と言えば、中心から放射状に張られた糸と、大まかな円状で中心を囲むように幾つも張られた糸が組み合わさった構造のものが一般的であり、この構造のくもの巣を「円網(えんもう)」と呼びます。

そして、放射状に張られた糸を「縦糸」、大まかな円状に張られた糸を「横糸」と言い、この二つでは性質が異なります。

具体的な性質を説明すると長くなるので、今回の疑問のキーとなる性質の違いだけを話しますと、「縦糸」には粘着性がなく、「横糸」には粘着性があるという性質の違いがあります。

くもの巣の横糸をよく観察してみると、なにやらコブのようなものが幾つも並んでおり、このコブの事を「粘球」と呼びます。

この粘球は、蜘蛛の出す粘液が球形となって糸に付着したものであり、これがくもの巣が持つ強い粘着性の正体です。

以上の事から分かるかと思いますが、蜘蛛は粘着性を持たない「縦糸」を足場としている為、自分の巣に引っかからないというのが理由の一つとなります。

そもそも蜘蛛は巣にくっ付きにくい?

蜘蛛は粘着性のない縦糸を辿っているから自分の巣で引っかからないのだが、あそこまで複雑に張られた巣で蜘蛛が絶対に粘着性のある横糸に触れることがないという訳ではありません。

まだ完璧に解明されているという訳ではないのですが、蜘蛛の足先には粘球の影響を受けにくい油性の成分で覆われていると言われており、多少横糸に足が触れたとしてもくっ付く事が無いと考えられています。

その為、蜘蛛の足を洗剤などで洗ってあげれば、蜘蛛も自分の巣に引っかかるんだとか…

また、蜘蛛は歩くときに必ず「しおり糸」と呼ばれる糸を引いており、蜘蛛の巣から一旦離れ、再度自分の巣に戻る際は、このしおり糸を辿って戻る。

その為、複雑な構造をした巣でも蜘蛛は自らの巣に引っかかることなく元の位置に戻ることができるのです。

まとめ

蜘蛛が自分の作った巣に引っかからない理由として主なものは、「蜘蛛は粘着性のない縦糸を辿っているから」です。

蜘蛛が平気という人は、試しに縦糸を触ってみれば、縦糸に粘着性がないという事が分かるでしょう。

ちなみに、蜘蛛の巣をよく見ると、一部絡まっていたり破れてたりしているのですが、あれば蜘蛛が自らの巣にくっ付いた際に、力ずくで抜け出してしまった後と言われています。

そもそも蜘蛛は糸に引っかかりにくい成分で足が覆われているとも言われていますが、絶対に引っかからないという訳でもないようですね。

スポンサーリンク