2月だけ日数が少ない理由は何?

歴史

1年の中で最も短い月と言われれば「2月」ですよね。

他の月は30日または31日なのに、なぜか2月だけは28日、閏年でも29日と、どうあがいても一番日数が短い月です。

もし一年の日数を調整する為にどこかの月を少なくするのであれば、31日の日数を持つ幾つかの月から引いてしまえばいいのに、なぜか2月が集中狙いで日数を引かれています。

そこで今回は、2月だけ日数が少ない理由についてを調査し、その結果をまとめてみました。

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そもそも暦の「月」とは何なのか

皆さんもご存じの通り、暦の「月」は1年を12分した日数を指し、その月に含まれる日数すなわち1ヶ月は30日・31日を基本として構成されている。

この日数は、天体の月の「新月」から次の「新月」になるまでの日数が大きく関係しています。

「新月」というのは、太陽-月-地球という順番でほぼ一直線状に並び、月は地球に対して太陽の光を反射していない裏の面を見せている状態の事を指します。
(太陽-月-地球の順が完璧な一直線となると「日食」がおこり、この現象は年に2~4回程度の頻度で起こる)

たまにあるじゃないですか、昼も夜も「月が見えない状態」。あれが新月です。

ちなみに、太陽-地球-月の順番でほぼ一直線上に並ぶと、月は地球に対して太陽の光を反射している表の面を見せ、この状態を「満月」といいます。

この新月の状態から月は1日毎に満ち始めて、いずれ満月となり、そこから1日毎に欠け初め新月にもどるまでの日数は約29.530589日となり、小数点以下1桁まで四捨五入すると29.5日という事になる。

しかし、29.5日というのは非常に微妙だしわかりにくいから、昔の人は暦の月を29日(小の月)と30日(大の月)を1ヶ月とし、それを交互に使い分ける事としたようです。

このように、月の満ち欠けの様子を見るだけで簡単に日数の経過を知り得れる事から暦の「月」は生まれ、この月に基づいて一か月を定める暦を「太陰暦(たいいんれき)」と言います。

29日と30日…なんか違くね?

ひと月の基本は30日と31日、上記で説明した太陰暦はひと月が29日と30日…なんか微妙に違いますよね。

という事で、その辺も簡単に説明していきましょう。

まず、1年が365日と数えるに至ったのは現在よりも遥か昔の古代エジプトにまで遡ります。

当時のエジプトでは、毎年夏の時期になるとナイル川が増水し洪水を起こしていました。

ただ、その洪水には「日の出前にめちゃくちゃ光ってる星が現れる」という前触れがあり、それに気づいた古代エジプトの人はその星を観測を始めた。

このめちゃくちゃ光っている星は「シリウス恒星」の事であり、当時の観測者は日の出直前にシリウス恒星が見える時期から、また同じ位置にシリウス恒星が見えるまでの時期を記録し、その結果が365日である事を突き止めたのです。

この当時から月の満ち欠けをによって構成された「太陰暦」はあったらしいが、古代エジプト人は29日・30日と分ける事はせず、12ヶ月全てを30日とし、どの月にも属さない特別な5日を付け足す事で365日のカレンダーを作成しました。

その後も、長年にわたる観測、日時計を使った太陽の動きの観測を続ける事で、1年が約365.25日であるという細かい日数まで突き止めたそうです。

1年が365.25日だと、4年毎に1日のズレが生じてしまう為、この暦を元にローマの「ユリウス・カエサル」は4年に1度の割合で366日、すなわち閏年も設ける事でこの誤差を調整した。

更に、ユリウスはどこの月にも属さない5日を付け足して365日とする古代エジプトの考えを導入せず、代わりに太陰暦の29日・30日を30日・31日と交互に繰り返す事で366日の閏年を作り、平年はどこかの月から1日減らすという操作で365日という暦を構成したのです。

これを「ユリウス暦」と言い、1ヶ月の基本が30日・31日という形が出来上がりました。

なぜ2月の日数を短くしたのか。

30日(小の月)・31日(大の月)を交互に12ヶ月分繰り返すと日数は366日となり、本来の1年365日(平年)に戻すには、どこかの月から1日減らす必要があったのは上記で説明した通りです。

ただ、なぜそれが2月だったのか…実はその理由、そこまで複雑なものではありません。

現在は1月が年の始まりだが、古代ローマでは現在の3月に該当する月を年の始まりとしていました。

というのも、当時使われていた「ロムルス暦」では農業をしない冬の時期(1月,2月)は月が置かれてなく、1年は10ヶ月、あまりの2ヶ月は名もなき月でした。(農業ができない季節に日付は必要なかったと考えられる。)

その後、ローマ王のヌマ・ポンピリウスによって不正確な10ヶ月の暦に1月・2月に該当する月を追加し1年を12ヶ月としたが、年始にあたる月は引き続き「3月」としたようです。

ようするに単純な話、年末である「2月」から日数を差し引いたのが、現在に引き継がれているだけというだけの話です。

本来30日であるはずの2月から1日を引けば年日数は365日、ただ現在の2月は28日、これでは364日となってしまうのではないだろうか。

知っている人も多いかと思うが、現在のカレンダーは7月まで奇数月が31日、8月からは偶数月が31日となっている為、2月が28日でも平年(365日)が構成できるようになっている。

これは、紀元前8年にアウグストゥスが8月の日数を30日から31日に変更し、更に2月から変更に伴って増えた日数を差し引いた為とされています。
※8月はアウグストゥスの誕生日であった為に、その月が30日というのは気に食わないという理由で8月を31日とし、それ以降の30日・31日という並びはズレたらしいです。(諸説あり)
ちなみに8月って英語で「オーガスト」ですが、これはアウグストゥスの名から来ています。

まとめ

つらつらと長く説明していきましたが、今回のメインである「なぜ2月が短いのか」という答えは、昔は2月が年末であった為、そこから日数を引いて1年の長さを調整したからです。

ちなみに、現在はユリウス暦に少し改良を加えたグレゴリオ暦が用いられており、閏年のルールが若干違います。

ユリウス暦の4年に1度の閏年ルールだと128年で約1日の誤差が生じる為(1年は365.25日ではなく、約365.24218987日だから)、グレゴリオ暦はその誤差を調整する為、400年に97回の閏年を設けるようにしている。

さらに簡単に言うと西暦が100で割り切れ、400では割り切れない年は閏年とはしないという調整で、日本では明治5年あたりからこの暦が採用されたらしく。

「どうゆう事?」ってなりますよね……私もです…基本は4年に1度なのであまり気にしなくていいと思います。

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