悲しい時に涙が出る理由は?
涙は、目の乾燥によって引き起こる炎症を防いだり、外部からの刺激(雑菌や紫外線など)から目を守るといった「目の保護」が主要な役割となっています。
その為、玉ねぎを切った際に出る刺激性があるガス、ほこり、塵が目に入った時に涙が分泌されるのは納得がいきます。
しかし、「目への刺激」とは思えない悲しい感情を抱いた時も涙が分泌されるのは、一体何故なのでしょうか。
とりあえず今回もそんな疑問がふと浮かんだので、涙についてを調査し、その結果をまとめてみました。
涙が流れる仕組み
なぜ悲しいと涙が流れるのかという謎を紐解く前に、まず涙が出るメカニズムについて、ざっくり簡単に理解していきましょう。
人間には、自分の意志とは関係なく、刺激などの情報に応じて体の機能をコントロールする「自律神経」があります。
例えば、暑い場所にいると身体の体温はどうしても上昇してしまう為、人間は汗を流し体温を下げようと働きます。
これは「熱」という情報を元に自律神経が体をコントロールした結果です。
涙が分泌されるメカニズムも同様であり、目に埃や雑菌などの刺激を受けた場合、それを洗い流そうと自律神経が働き、涙が分泌されるという事に。
要するに、悲しい感情というのは自律神経を動かす何らかの刺激的なものが含まれていると考えられます。
悲しみで涙が出る原因
人間は、怒りにせよ悲しみにせよストレスを感じてしまう動物であり、悲しい時に流れる涙は、そのストレスによる刺激を緩和させる為に自律神経が働いた結果ではないかと言われている。
感情が原因で分泌された涙には「副腎皮質刺激(ふくじんひしつしげき)ホルモン」が含まれており、これは「副腎皮質ホルモン」の分泌を促す働きを持っています。
代表的な副腎皮質ホルモンの一種「コレスチゾール」は、ストレスを抑える為の役割がありますが、大きなストレスによって必要以上に働き始めると体内のホルモンバランスが乱れ、体に様々なリスクを伴う原因に。
それを防ぐ為に、自律神経が体内のホルモンバランスを調整しようと、コレスチゾールの働きを促す副腎皮質刺激ホルモンを涙と一緒に排出させようと働くのが、悲しみで涙が分泌される原因ではないかと考えられます。
以上の事は悪魔で説であり、実は悲しい際に分泌される涙の原因がはっきりと解明されている訳ではありません。
しかし、現在では以上の説が最も有力なものとされているようです。
コレスチゾールについて詳しく
コレチゾールは副腎皮質ホルモンの一種であり、ストレスによって分泌量が増加する事から「ストレスホルモン」とも呼ばれています。
ストレスのある状態は体が勝手に「身に危険が迫っている」と判断する為、その危険から身を守る為に頭脳、神経、筋肉を最大限に働かせるようとします。
その為に必要なエネルギー減が「ブドウ糖」であり、コレスチゾールには、このブドウ糖を増加させる事でストレスから身を守る為の緊張状態を作り出す働きがあります。
一方、コレスチゾールが必要以上に分泌されると、血糖値のコントロール不良による糖尿病や、緊張状態が続く事で引きおこる不眠症といったリスクを高めるといった副作用があります。
以上の事から、悲しい時に涙を流せばコレスチゾールの働きが収まり、身体の緊張状態が解けますので、「涙を流すとスッキリする!」というのも納得がいきますね。
まとめ
怒りにせよ悲しみにせよ、人間は感情が高ぶる事でストレスを感じてしまう生物です。
そんなストレスが原因で流れる涙には「副腎皮質刺激ホルモン」が含まれており、副腎皮質刺激ホルモンにはストレスに対抗する為に身体を緊張状態にする働きを持つ「コレスチゾール」の分泌を促す役割があります。
コレスチゾールは必要以上に分泌されると身体へのリスクが高まる為、それを調整する為に自律神経が涙と一緒に体外へ副腎皮質刺激ホルモンを排出しようと働きます。
その際に分泌される涙が「悲しい時に流れる涙」と考えられます。
以上の事から、涙を流せばコレスチゾールの働きも弱まって身体の緊張状態が解ける為、「涙を流せばスッキリする」というのも納得がいきますね。
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