お米をお湯で研ぐのは駄目?冷たい水で研ぐのと何か違いはある?
暑い夏場であれば苦ではないのですが、寒い冬になると、冷たい水で米を研ぐのはちょっと辛いですよね。
正直、米を洗えれば良いので水でもお湯でも大して変わらないでしょ、と思い私は寒い日に米をお湯で研ぐ事があります。
しかし、米をお湯で研ぐという話はあまり聞いた事がなく、お湯で研ぐと米に何らかの悪影響が及ぶのでは?といった不安が頭を過ってしましました。
という事で、今回は米をお湯で研ぐのは駄目なのか?水で研ぐのと何か違いはあるのか調査し、その結果をまとめてみました。
お米をお湯で研ぐと…
お米にはアミラーゼという酵素が含まれており、これがお米のでんぷんを糖に分解する事で旨みや甘味を発生させます。
このアミラーゼがでんぷんを糖に分解させるエネルギーとなるのが「温度」です。
大体お米の温度が10度くらい上がると、でんぷんを糖に分解する速度が2倍になり、40~50度に上がると分解の速度は最高に達します。
その為、お米に含まれるアミラーゼは、炊飯の前半に温めれらる事で分解する働きが活性化し始め、時間が経つにつれて炊飯器の温度が上昇すると共に、でんぷんを旨みと甘味の元となる糖にどんどん分解していきます。
しかし、炊く前のお米をお湯で研いでしまった場合、その時点でお米の温度が上がり、アミラーゼがでんぷんを糖に分解し始めます。
そして、すすぎの際にお湯に溶けだした糖が一緒に流れ落ちてしまします。
結果、お湯で研いでしまったせいで糖が減少し、炊きあがりの米は甘味や旨みが少ないものとなってしまうようです。
お米はお湯を吸収しやすい?
米をお湯で研ぐのは駄目なのか?といったテーマのコンテンツを調査してみると、「米はお湯を吸収しやすく、研ぐ時点でお米が余分な水分を吸収してしまう為、美味しくなくなる。」といった意見が多く見受けられました。
確かに、お米は水よりもお湯のほうが吸収率が高い性質をもっていますし、研ぎ作業の時点でお米は水分を吸収し始めます。
ただ、吸収率が上がるといっても数分お湯で研いだ程度でお米はそんなに水分を吸収しないというのも事実です。
但し、温度が高いお湯(40~50度)の場合は、吸水速度が速まってしまう為、炊きあがりが少しべた付いてたり、ぬか臭さが残ってしまう可能性もあるようです。
お米を冷たい水で研ぐと…
お湯でお米を研ぐとどうなるかを理解すればもうお分かりかと思いますが、冷たい水を浸かってお米を研げば、旨み成分を作り出すアミラーゼが研ぐ作業の時点で働きだす事を防げます。
その為、すすぎの時点でアミラーゼに分解された旨み成分の糖が無駄に流れ落ちてしまう事もありません。
また、お湯のようにお米が余分な水分を吸収してしまう事もない為、冷たい水でお米を研いだ場合、炊きあがりがふっくらとツヤのあるものとなり、旨みや甘味もしっかりと付きます。
ただ、お米は冷たい水で研ぐのが良いとは言え、手荒れが酷いなどの理由がある方には酷な作業です。
そういった方は無洗米(研ぐ必要がない米)や、米とぎ棒などを使用するのがお勧めです。
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