JAL・ANA(従来の航空会社)とLCC(格安航空会社)の違いは?

社会


値段が安く、そのコストパフォーマンスから最近人気を集めている格安航空会社「LCC」

旅行や帰省の際にLCCを利用した事があるという人も少なくはないでしょう。

しかし、そのあまりの安さに「本当に大丈夫なの?」と心配になり、航空券が高いJALやANAといった既存の航空会社「FSC」を利用するという方も少なからずいるかと思います。

そこで今回は、格安航空会社「LCC」と既存の航空会社「FSC」が具体的にどのように違いがあるのかを調査し、その結果をまとめてみました。

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そもそも「LCC」と「FSC」って何?

最近ではメディアでも多く取り上げられている「LCC」という言葉を耳にした事があるという人は多いはずでが、「FSC」という言葉は知らないという方は多いかと思いますので、ここでチラッと説明していきます。

「LCC」とは「Low Cost Carrier(ローコストキャリア)」の略で、主に「ジェットスター・ジャパン」「ピーチ・アビエーション」「バニラ・エア」といった航空会社が有名です。

一方、「FSC」とは「Full Service Carrier(フルサービスキャリア)」の略で、今まで日本に存在している従来の航空会社「JAL(日本航空)」や「ANA(全日本空輸)」を指します。

ちなみに、このFSCとLCCの中間に位置している「新興航空会社(しんこうこうくうかいしゃ)」というものもあります。

新興航空会社とは1990年代に航空行政の規制緩和によって新規航空会社の参入が認められ、それに乗っかって当時参入した航空会社を指します。

新興航空会社は、主に「スカイマーク」「エアドゥ」「ソラシドエア」などが挙げられます。

JAL・ANA(FSC)とLCCの違いについて

最初に言っておきますが、JALやANAと比較して航空券の安いLCCは事故率が高い、運転ががさつ、パイロットの技術が低いといった事はありません。

どの航空会社も安全運転ですし、パイロットの技術も格安だろうが高額だろうが同じですので、その点は心配無用と言えるでしょう。

FSCとLCCについて少し理解を深められたところで、さっそく具体的な違いを見ていきましょう。

価格の違い

格安航空というだけあって、LCCの航空券価格がFSCや新興航空会社より高いという事はまずあり得ません。

予約する時期にもよりますが、LCCとFSCの航空券価格には約1~2万円の差があり、お金はないが旅行に行きたい、または地元に帰省したいという方にはお勧めの航空券と言えるでしょう。

ちなみに、2017年5月2日午前6時台、東京ー新千歳の片道航空券を検索してみたところ以下の結果が得られました。

■FSC(従来の航空会社)

・「ANA」「JAL」 \22,090

■新興航空会社

・「スカイマーク」 \12.790

■LCC(格安航空会社)

・「ジェットスター」 \6,370

以上の事から、LCCはFSCの半額以下の価格で同じ目的地に行けるという事になります。

サービスの違い

FSCとLCCは価格だけではなく、サービスにも大きな違いがあります。

FSCは「フルサービスキャリア」と言うだけあってサービスはかなり豊富です。

例えば、預け荷物や座席指定ですが、LCCではこれらが有料となる反面、FSCでは基本無料です。(荷物の重量や窓側といった一部の座席は有料である場合もあります。)

また、機内サービスもFSCではソフトドリンクが無料で提供される他、映画や音楽、ゲーム、漫画といったエンターテインメントも豊富。(映画やゲームなどのサービスは国際線のみの場合あり)

移動時間が1~2時間程度であれば必要ないかもしれませんが、長距離の旅行で移動時間が5~10時間ほどかかるという方には嬉しいサービスと言えるでしょう。

一方、LCCはサービスが無いに等しく、預け荷物は重量に関係なく有料、座席指定は指定席に関わらず有料、機内での飲み物や食事メニューは全て有料、機内エンターテインメントは無いに等しいです。

その為、長距離の移動となるとLCCは窮屈かもしれません。

座席の違い

LCCとFSCでは座席の質や広さが違うとよく言われているが、エコノミークラスで比較した場合、実はそうでもない。

まず国内線の座席間隔ですが、FSCのJALやANAは約79cm(31インチ)、LCCでは約74cm(29インチ)が基準です。

座席間隔は機種によって異なりますが、いずれにせよLCCと比較してFSCは若干座席間隔が広いというだけで、そこまで大きな違いはないと言って良いでしょう。

次に座席の質だが「格安だからさぞかし安っぽい素材の席なのだろう」と思われがちなLCCだが、そんな事はありませんでした。

ジェットスター・ピーチ・バニラエアなど格安でありながら座席にはレザーシートが採用されており、ANAやJALのエコノミークラスに劣らない、むしろ優っているのではないかと思える質の高さ。

マイレージの違い

マイレージとは一般的に言われている「マイル」の事を指し、簡単に言えばポイントのようなものです。

飛行機で移動する度にポイントが付与され、貯まったポイントに応じて航空券が無料になったり、エコノミーからビジネス、ファーストにグレードアップといいた特典と交換する事ができます。

飛行機を利用する事でマイレージを貯める方法が王道ですが、「JALマイレージバンクカード」や「ANAマイレージクラブ」などのクレジットカードを利用する事でマイレージを貯める事も可能です。

マイルがどのように貯まるかは説明が長くなるので省きますが、東京~ニューヨーク間を普通料金(割引なし)で往復した場合は約13,500マイル貯まります。

13,500マイルあれば、国内線および韓国への無料往復航空券、13,500円分のウェブマネーなどと交換する事ができ非常にお得と言えるでしょう。

話が長くなりましたが、LCCはマイレージ制度を採用していない航空会社がほとんどですが、ジェットスターといった一部の会社では有料の追加オプションを利用する事でマイルを加算させる事ができるようです。

欠航・遅延率の違い

ANAやJALといったFSCは遅延率が10%未満でありながら、LCCの遅延率は17~21%と比較的高めです。

LCCの遅延率がFSCと比べて高いのは、飛行機が空港に着陸してから離陸するまでの時間(駐機時間)が短いのが最大の原因ではないかと言われています。

飛行機は客を乗せていなければ価値を生み出しませんので、LCCはなるべく多くの便を飛ばして利益を増そうとFSCと比較して過密なスケジュールが組まれているのです。

現にJALやANAといった航空会社は駐機時間を約60分に設定している一方で、LCCは駐機時間が30分程度と短い。

以上の事から分かる通り、LCCは着陸してから離陸するまでの時間に余裕が無く、その間に清掃、客の乗降、荷物の詰め込みなどを行わなければならない為、少しでも遅れればドミノ倒しのように後の便が遅延していくので、遅延率が比較的高いと考えられます。

その他にも、LCCは出発ロビーから搭乗口が遠く設計せれている場合が多く、それが原因で乗客が遅れてしまう可能性が高く遅延の発生率にも繋がりやすいと言えます。

LCCの欠航率に関しては約1%と低く、FSCと大差変わりありませんので、その点は心配ないようです。

まとめ

JALやANAといったFSCは航空券が高いだけあって、荷物を預け、座席指定、機内のソフトドリンク全てが無料のサービスとなっており、機内でも快適に過ごせる映画や音楽、漫画といったエンターテインメントが豊富です。

一方LCCは航空券の価格が格安なだけあって、FSCでは無料で提供されているサービスが有料であり、機内のエンターテインメントもありません。

また、LCCはFSCと比較して遅延率が高いようです。(頻繁に遅延しているほど高いという訳ではありません。)

但し、機内の質やパイロットの技術、安全面などはLCCもFSCも変わりありませんので、その点は心配する必要はありません。

フライト時間が2~3時間程度の国内旅行であればLCCの方がお得でデメリットもそこまで多くないと考えられます。

しかし、フライト時間が10時間を超えるような長距離への旅行はFSCの方が快適ですし、マイルも貯まってお得と言えるでしょう。

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