寒い時とか怖い時、なぜ鳥肌が立つのか

生物

冬が近づき肌寒い季節になった時、はたまた何かしらの恐怖を感じた時、鳥肌立ちませんか?

私自身、寒い時や夜な夜なお墓付近を歩いている時、鳥肌が立った覚えがあります。
(※夜な夜なお墓付近を歩いているのは、帰路にお墓があるからです。あと田舎なので、シーンとした雰囲気が相まって本当に怖いです。)

つい最近も、窓開けっぱなしで部屋の温度が下がり、気付いたら鳥肌が立っていました。
そんな時に思ったのが「なぜ鳥肌が立つのか?」という疑問です。なぜ寒いときや恐怖を感じた時、ヒトの肌は羽をむしった鳥の皮のようにぶつぶつが現れるのでしょうか?

そこで今回は、鳥肌についてを調べてまとめてみました。

鳥肌のメカニズムについて

人間……に限った話ではないのですが、私達の皮膚には「立毛筋」という自分の意思では動かせない筋肉が存在しており、読んで字のごとく「毛を立たせる筋肉」です。

立毛筋が収縮する事で皮膚が引っ張られ、毛は垂直に立ち上がり、毛穴周辺が盛り上がった状態になります。

腕毛とかを見ると、普段は横たわった状態になってますよね?
立毛筋が縮小すると、これらの毛が立った状態になります。

しかし、そもそも体毛が少ない人間の肌では、「立毛筋の働きによって立った毛」よりも、「立毛筋が縮小した事で盛り上がった毛穴周辺」が目立ちます。
その為、立毛筋の縮小によって盛り上がった毛穴の数々は、ただただぶつぶつと盛り上がった状態になり「鳥肌」となります。
(わかりやすくイラストにすると、下図みたいな感じです。イラスト下手ですみません…)

体毛が多い動物の場合、立毛筋の働きによって毛が立ちあがります。猫などが威嚇する時とかに毛を逆立てるメカニズムも、鳥肌のメカニズムと同様です。

ではなぜ、寒いとき、怖いときなどに鳥肌が立つのか

ここまでで、大体鳥肌が立つメカニズムは分かりました。
では、一体なぜ寒いときや怖いときに立毛筋は縮小して、鳥肌となってしまうのでしょうか?

それは、先述した立毛筋が「自分の意思では動かせない筋肉」である事に関係しています。
このように自分の意思では動かせない筋肉の事を「不随意筋」と呼び、立毛筋の他にも、内臓や血管などの壁に存在する「平滑筋」や、心臓を構成する筋肉「心筋」も不随意筋です。
(※立毛筋も「平滑筋」の一種です。)

そして不随意筋は「自律神経」によって動かされています。これが、寒いときや怖いときに鳥肌が立つ理由です……は?
すみません、これだといくらなんでも雑な結果なので、もう少し詳しく調査結果を書いていきます。

鳥肌は「交感神経」の働きで起こる

自律神経とは、簡単に言ってしまえば「自動的に身体を良い感じに調整してくれているやつ」です。
この自律神経は「交感神経」と「副交感神経」に分類され、交感神経は活動している時やストレスを感じているときに働き、副交感神経はリラックスしている時や寝ている時などに働きます。

例えば、交感神経は熱い時に汗を出して体温を調節したり、不安や恐怖に対して闘争もしくは逃走できるように心拍数を上げて身体に血液を巡らせ、筋肉にエネルギーを補給させたりしてくれます。
逆に副交感神経は心拍数を減少させたり、呼吸を遅くするなどの働きで、身体の回復を促します。

鳥肌は、この自律神経のうち「交感神経」が働いている時に起こります。

さらっと先述していますが、交感神経は主にストレスを感じている時に働く神経であり、そのストレスに対抗できるよう身体を調節してくれています。
立毛筋の収縮によって起きる鳥肌は、まさにこのストレスに対抗できるように体を調整してくれた結果おききます。

「寒さ」によるストレスを感じた時、交感神経はそのストレスへの防御反応として立毛筋を縮小させ毛穴を塞ぎ、体温を体の外へ逃がしにくくします。

「恐怖」によるストレスを感じた時は、立毛筋を縮小する事で毛を立たせ、体を大きく見せて威嚇する為の反応と言われています。
(そもそも現代の人間は体毛が少ないので威嚇効果はなく、これが単純に「恐怖によるストレス」によって鳥肌になります。)

これが、寒い時とか怖い時とかに鳥肌が立つ理由です。

まとめ

「鳥肌」のメカニズムは、毛穴一つ一つにある「立毛筋」という筋肉が縮小する事で、毛がまっすぐ立つのと同時に、毛穴周辺が盛り上がります。
この盛り上がりが多数できあがる事で、肌表面にはぶつぶつが出来上がり、鳥肌になります。

そして、主にこの立毛筋を動かしているのは、ストレスを感じているときに活発化する交感神経であり、「寒さ」や「恐怖」のストレスに対する防御反応として立毛筋を縮小させています。

その為、寒い時や怖い時などに鳥肌が立ちやすいのです。

ちなみに、そもそも結構が良く、他の部位と比較して毛穴が退化している顔は、鳥肌が立っても腕や足ほど目立ちません。