血液型には、なぜC型がなく、O型があるの?

化学

性格診断とか占い等でも用いられたりする「血液型」。血液型から自分の性格などが分かる「自分の説明書」なんかが流行りましたね。

私も結構占いとか信じちゃうほうでして、私O型でみずがめ座なんですけど、この血液型と星座の組み合わせは、48通り中、総合運なんと3位と某番組で発表されてて、嬉しかったものです。

そんな時、ふと思ったのが、「そういえば、血液型ってなんでC型がなくて、O型があるんだろうか」という疑問。

皆さんご存じの通り、血液型はA型、B型、O型、AB型の4種類がありますが、普通A、Bときたら次はCじゃないですか?なのにOが存在します。
CもDもなく、一気に飛んでO型。いったいなぜなのでしょうか?

そこで今回は、なぜ血液型にはC型がなく、O型があるのかを調査し、その結果をまとめてみました。

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元々、「C型」は存在していた

今こそ、血液型は「A型」「B型」「O型」で分類されていますが、血液型の分類が発見された当初は「A型」「B型」「C型」と、ちゃんとアルファベット順で分類されていました。

時代は血液型の概念が無かった20世紀初頭まで遡ります。
当時は、血液型の概念がなかったが故に、輸血によって回復する者もいれば、重篤化し命を落とす者もいました。

「輸血」によって、症状が重篤化する原因は、自分の赤血球が持つ「抗体」が、輸血によって体内に入りこんだ他人の赤血球がもつ「抗原」を攻撃してしまう為です。
ざっくり言うと “家に知らない人が入ってきて「お前だれだよ!」って攻撃しちゃう感じ” で、他人同士の血液を混ぜると血球が寄り集まって塊になったり(凝集反応)、ならなかったりするそうです。

この反応に注目したオーストラリアの科学者「カール・ラントシュタイナー」は、他人同士の血球と血球が凝集する組み合わせと、そうならない組み合わせがある事に気付き、この組み合わせに応じて人の血液は3種類に分けられる事を発見。それぞれの血液に「A型」「B型」「C型」と名付けたのです。

そして、この「A型」「B型」「C型」の血液型分類は1901年11月14日に論文発表されました。

要するに、血液型分類がされた当初は「C型」がちゃんと存在していたという事ですね。

「C型」は「O型」へと改名される

カール・ラントシュタイナーが3種類の血液型「A型」「B型」「C型」の存在を発表した翌年の1902年、ライタリア人科学者の「アドリアノシュテュルリ」「アルフレッド・フォン・デカステロ」により、第四の血液型が発見されたそです。

但し、この時点で第四の血液型には明確な名前が付けられていませんでした。

しかし、その後の1910年、ドイツの医学者「エミール・フォン・デュンゲルン」とポーランドの学者「ルドヴィックヒルシュフェルト」により、4種類の血液についての研究がすすめられ「人の血液には抗原と抗体がある」とまとめました。

なんじゃそりゃって感じですよね。「元々、C型は存在していた」の項目でちらっと話したのですが、ざっくりおさらいすると「抗体は抗原を攻撃します」
A型の血液型には「A抗原」と「抗B 抗体」がある。(A型にB型の血液を輸血すると「抗B 抗体」が「B抗原」にお前だれだよ!って攻撃する。)
B型の血液型には「B抗原」と「抗A 抗体」がある。(B型にA型の血液を輸血すると「抗A 抗体」が「A抗原」にお前だれだよ!って攻撃する。)
上記をざっくり説明すると、A型の血液にB型の血液が入ると、「A型が持つ抗 B抗体」が「B型のB抗原」を攻撃してしまうという事。A型にとって、B型は「お前誰だよ」状態です。
逆もまた同じです。

カール・ラントシュタイナーの発見したC型は
C型の血液型には「抗原」がなく「抗A 抗体」「抗B 抗体」がある。(A型、B型にC型の血液を輸血しても、抗原がないので「お前誰だよ」とはならず、攻撃されない)
C型には「抗原」が無いので、A型、B型に輸血しても、攻撃される事はなく輸血可能。このように、型は違えど輸血できるO型は「異型適合血」といいます。

そして、新たに発見された血液型は
「A抗原・B抗原」があり、抗体はない。(抗体がないので、どの血液型から輸血されても攻撃の手段がないため、輸血できる。)

上記の事から
A抗原を持つ血液を「A型」
B抗原を持つ血液を「B型」
抗原がない血液を「O型」
A抗原・B抗原をもつ血液を「AB型」
と名付けたそうです。そうして、現在の「ABO式血液型」が完成しました。

じゃあ、「C型」が「O型」に改名された理由はなんですか?

C型がO型に改名された理由として、最も挙げられていた情報は「抗原が無いから0型(ゼロ型)」と名付けられ、時代の経過によって「O型」に転じたというもの。

しかし、この「A型」「B型」「O型」「AB型」の4つの血液型についてまとめられた論文「Ueber gruppenspezifische Strukturen des Blutes, III」によれば、ヒトの血液型の遺伝についての説明を「大文字のO」「小文字のO」で説明している事から、数字の0が「O型」になった可能性は低いとされ、ドイツ語で「なし」を意味する「ohne」の頭文字から取られた可能性が高いとされています。

但し、この「C型がなぜO型に改名されたのか」についての経緯は不明であり、O型はohneの頭文字である事は断言する事ができません。

まとめ

現在、血液型は「A型」「B型」「O型」「AB型」の4型に分類しており、「ABO式血液型」が主流となっています。

しかし、今回の調査で「O型」は元々は「C型」で、血液型に種類がある事が発見された当初はちゃんと「A型」「B型」「C型」とアルファベット順の3種類だったのです。

その後、更なる研究により4種類目の血液型「AB型」が発見されました。
A型にはA抗原、B型にはB抗原、そしてこれら両方の抗原を併せ持つ「AB型」です。

一方、この「抗原」を持たない「C型」は、諸説ありますが下記2つの理由で「O型」と名前を変えたそうです。(後者のほうが有力みたいです。)
・抗原を持たない(なにもない)事から「0」を用いて「0型」から「O型」という名称に転じた。
・抗原を持たない事から、ドイツ語で「なし」を意味する「ohne」の頭文字をとって「O型」という名称がつけられた。

これで、まぁなんとなくですが、現代の血液型はなぜA型、B型ときて、次はC型ではなく、O型なのかわかりましたね。

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