金魚って金じゃないのに何故「金魚」と書く?名前の由来は?
比較的安価で購入することができ、見た目も美しい事から部屋のインテリア、更にはアートとして用いられている観賞魚「金魚」。
ただ、「金魚」と言われれば、あの赤い魚を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか?
金魚といってもその品種は多く、黒色をしたものから白色をしたものまでいますが、金色に輝く金魚は見たことがありませんし、代表的なのはあの赤い金魚ですよね。
では、一体なぜ金色じゃないのに「金魚」と呼ばれているのでしょうか?
そこで今回は、金魚という名前の由来について調査し、その結果をまとめてみました。
金魚について
観賞魚として知られる「金魚」ですが、実はその祖先は「フナ(鮒)」です。
本来のフナは黒い体色をしていますが、約1700年前に赤い体色に突然変異したフナ(ギベリオブナ)が中国に位置する長江下流域の浙江省近辺で発見されたと言われています。
この突然変異によって体の黒い組織が黄色および赤色(オレンジに近い)に変色したフナを「ヒブナ(緋鮒)」と言います。
この赤い体色のヒブナを長年に渡って飼育・繁殖・選別・交配を重ね、観賞用として人為的に突然変異させた改良型ヒブナが「金魚」です。
現在ではヒブナに酷似した「和金」、眼球が飛び出した「出目金」、長いヒレをもつ「琉球」、体が膨れた「ランチュウ」など様々な特徴をもつ金魚が存在しています。
ちなみに日本で金魚の存在が知られるようになったのは室町時代。
現在では安価で飼育できる金魚ですが、当時は非常に効果な貴重品であり、養殖が大々的に行われた江戸時代に入ってからも一般庶民ではまず入手できず、お金持ちの上流家系、武士などしか飼育すこととができなかったとか…
金色じゃないのに何故「金魚」?
さて、金魚の歴史について軽く触れたところで本題と行きましょう。
上記の「金魚について」でも説明しましたが、現在では金魚の品種は非常に多く存在しており2015年時点では公式に認定されている品種は33種、認定されるかもしれない品種を含めれば55種も存在している。
その中には金色の金魚(褪色前の津軽錦(ツガルニシキ)など)も存在はしますが、そのほとんどは赤色であり、「金魚」という名が付くのは不自然。
むしろ「赤魚」のほうがピンとくる。
ちなみに、金魚の原産地である中国でも「金魚」、英語でも「ゴールドフィッシュ」、金魚の学名も「Carassius auratus auratus(金色のフナ)」と大体「金」
一体、なぜ金という文字が用いられているのか…
それを調査してみた結果、実は「金魚」という名前の由来は明確になっておらず、諸説あるようです。
ということで今回は、有力な説をいくつかまとめ、以下で紹介していきたいと思います。
太陽光の関係で金色に輝くから
赤い鱗をもつ金魚は、1000年以上もの歴史をもつ観賞魚であるが、決して金魚という名が付くほど金色ではありません。
しかし、腹部のあたりをよく見てみると赤色に交じって金色がうっすらと見えます。
さらに、太陽光といった光の反射で体の一部(主に腹部)が金色に輝くことがあります。
特に歴史の深い赤い鱗をもつ金魚の代表品種「和金」などは、鱗に虹色素胞(にじしきそほう)があり光を反射しやすい。
その為、太陽光のような強い光が赤い鱗に反射することで、体の所々が金色に輝き、その姿がまさしく「金色の魚」に見えることがあります。
全ての金魚に共通しているわけではありませんが、金魚は光の反射によって体の一部が金色に輝くことがあるのです。
金魚の存在が知られ始めた当初の人達はこの現象を見て、まさしく金色の魚「金魚」となずけたのが由来だと言われています。
金のように価値のある魚だったから
冒頭でも解説しましたが、金魚が養殖された当初は非常に効果な観賞魚であり、金魚の原産地である中国でも一般市民が購入できるような値段ではありませんでした。
現在の値段に換算すると一匹50~70万円くらいしたんだとか……
今では一匹100~1,000円ほどで変える品種がほとんどですが、当時は黄金と同等の価値があったそうです。
そこから「金と同じ価値のある魚」→「金魚」とされたのではないかと考えられています。
また、「金持ちしか買えない魚」→「金魚」とも考えられているそうです。
まとめ
結果として、なぜ金魚は赤色なのに「金」という文字が用いられているのかを明確にすることはできませんでした。
しかし、学名で「Carassius auratus auratus(金色のフナ)」とされているくらいですから、おそらく「太陽光の関係で金色に輝くから」説が有力ではないかと考えられます。
確かに、金魚の画像とかをよく見ると腹部または背びれのあたりがうっすら金色なんですよね…
もし、自宅で金魚を飼育しているのであれば、じっくり金魚を観察してみてはいかがでしょうか。
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