北極と南極ってどこの国に属するの?
少し海から飛び出した岩のようなものですら「これはうちの国に属する島!」としてし国の領域を拡大しようとする貪欲な各国。
領土を奪う為に大勢の命をも賭してきた貪欲な各国が、北極・南極に目を付けない訳がありません。
そこで、南極・北極はどこの国に属しているのかを調査し、その結果をまとめてみました。
北極はどこの国に属すのか
地球が時点する際の軸、いわゆる地軸が突き刺さっている北側の地点を「北極点」とよび、そこに位置する氷の島が一般的に「北極」と呼ばれています。
…と言いたいところなのですが、実はこの北極点に氷の島などありませんでした。
北極とインターネットで検索すると、一見氷の島みたいな画像がヒットし、「あれが北極か!」と勘違いしてしまいがちなのですが、あれは「氷の島」ではなく「氷の塊」です。
これは世界地図を見ると分かりやすいのですが、北極に大陸なんて存在しません。

要するに、北極はどこの領土?と言われても、領土となる陸地がありませんので、結果どこの国にも属してないというのが正解になるようですね。
北極海はどこの国に属してる?
北極海は、ユーラシア大陸、グリーンランド、北アメリカ大陸などで囲まれた海を指し、北極はこの北極海に含まれています。
という事は、北極が含まれた北極海を領海とする国があれば、北極はその国に属されるという事になります。
しかし、調査してみたところ北極はどの国からも200海里以上離れた位置に存在していました。
これはどうゆう事かと言うと、海は国の低潮線(干潮時に海面と陸地が接する線)から12海里(約22.2Km)までが「領海」
12~24海里(約44.4Km)までが「接続領域」
24~200海里(約370.4Km)までが「排他的経済水域(EEZ)」
200海里より先は「公海」
と決められています。
公海とは、どこの国にも属さず、各国が自由かつ平等に使用できる海を指す言葉です。
要するに、どの国からも200海里以上離れた位置に存在する北極を含んだ北極海はどこの国にも属さない公海という事になります。
ちなみに、北極を含まない北極海の一部は、どこかの国の領海になっているようです。かなり広いですからね。
南極はどこの国に属すのか
南極は地軸が突き刺さっている南側の地点「南極点」周辺の地域・海域を指します。
北極とは違い、南極点が位置する地点には世界で5番目に大きい「南極大陸」が存在しており、この南極大陸にも一般的には南極と呼ばれています。

以上の事から分かる通り、南極には領土となり得る大陸が存在している為、海しかない北極とは違い、どこかの国に属していてもなんら不思議ではないという事に。
しかし、実は南極大陸はその土地を利用する上で、ある「約束」のようなものが世界的に決められている特殊な大陸である事が分かりました。
この約束を「南極条約」と言い、結論から言うと南極条約がある以上、南極点が位置する南極大陸はどこの国も領土とする事はできません。
南極条約についてもっと詳しく
気象条件が非常に厳しく、安定した生活を人間が行うのは不可能であった南極大陸は、どこの国からも目を付けられるような場所ではありませんでした。
しかし、ある時イギリスが南極大陸の一部を「ここはうちの領域だ!」と主張した事をきっかけに、他の国まで南極大陸の一部を自国の領域であると主張しはじめる事態に。
そうなってしまえば、領土を獲得する為の競争が起こる事は誰にでも想像できます。
できればそれを阻止し、更には南極大陸を平和的な目的の為に利用させる為、1959年に南極大陸を扱う上での約束事「南極条約」が締結されたのです。
南極条約の主な内容はざっくり簡単に言うと
・南極地域を軍事目的で利用するのは駄目
・化学調査は自由、その為に国どうしで協力しましょう。
・南極地域を自分の国の領土だと主張するのは駄目
・核実験をしたり、放射線を発生させるゴミの廃棄は駄目
などなど…
まとめ
北極には領土となり得る陸地が存在せず、更に北極を含む北極海も公海となっている為、どこの国にも属してはいません。
一方、南極には巨大な「南極大陸」が存在していますが、「南極地域を自分の国の領土だと主張するのは禁止だよ!」といった約束「南極条約」がある為、北極同様、どこの国にも属していない事になります。
更に言えば南極は南極条約のおかげで、各国が協力し合える非常に平和な大陸となっています。
その為、南極大陸には日本を含む30ヵ国以上もの観測基地が設置されており、国どうしで情報共有などが行われているようです。
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