じゃんけんの発明者って誰?発祥の地や起原は?

歴史

どっちが何をやるか?または誰が何をやるか?など話し合いでは時間がかかってしまう際に、よく用いられるのが「じゃんけん」ではないでしょうか?

片手のみを使う単純な遊戯でありながら、老若男女だれでも平等に勝敗を決める事ができる優れた拳遊びの一つです。

知名度は非常に高く、「じゃんけん?何それ?」と言う方はいないでしょう。

ただ、このじゃんけんは誰が考えたものなのか?起原や発祥の地はどこなのか?といった点を知っている人は少ないかと思います。

もちろん、私もそんな事は全く知らないので、今回はじゃんけんの歴史について調査し、その結果をまとめてみました。

じゃんけんの起原「数拳」と「三すくみ拳」

じゃんけんの起原は、16世紀後半(安土桃山時代)に中国から長崎へ伝えられた「数拳(かずけん)」と9世紀(平安時代)には既に中国から伝わっていたとされる「三すくみ拳」の2つの拳遊びが始まりとされています。

「数拳」とは

数拳とは、代表的な拳遊びの一つで、その遊び方はじゃんけん同様シンプルなものとなっており、ルールを簡単に説明すると2人が片手の指で0~5までの数字を示すと同時に、両人が示した指の数を当てるというもの。

例えば、二人が出した指の合計数が6本だったとすると、「6」と発言したものが勝者になります。

この数拳は18世紀前半(江戸時代)で世間に広がり、長崎に伝わった事から日本では「長崎拳」と呼ばれる事が多かったようです。

「三すくみ拳」とは

三すくみ拳は数拳と同様に代表的な拳の一つで、日本では主にヘビ、カエル、ナメクジの三すくみ拳(虫拳)が広まっていたようです。

人差し指はヘビ、親指はカエル、小指はナメクジを意味し、カエルはナメクジに勝ち、ナメクジはヘビに勝ち、ヘビはカエルに勝つといったじゃんけんとほとんど変わらないルールとなっています。

「数拳」「三すくみ拳」から「じゃんけん」へ

数拳では0~5までの数を指で示すルールとなっているが、そこから1,3,4の数を示す指を省き、0本を石、2本を鋏、5本を紙と新たな三すくみ拳にしたのが現代の「じゃんけん」の形です。

誰が数拳と三すくみ拳を組み合わせて現代のじゃんけんを作ったは特定できていないが、「拳の文化史」の著者セップ・リンハルトによれば、じゃんけんは18世紀頃(江戸時代)から19世紀後半(明治時代)にかけて日本で成立したと言われてます。

そして明治の末に九州から奄美へじゃんけんが伝わる事で、じゃんけんが日本に広まったと言われています。

なお、「数拳」や「三すくみ拳」の発祥は中国ですが、石、鋏、紙の三すくみ拳と数拳を組み合わせた「じゃんけん」は日本が発祥です。

明治以降、日本人の移住や交流でじゃんけんは世界各国に広がり、現在では石、鋏、神の三すくみ拳である「じゃんけん」は世界的に高い知名度をもつようになったそうです。

じゃんけんの語源について

数拳や三すくみ拳といった拳遊びから派生したという点から、じゃんけんの「けん」が「拳」を意味する事はわかりますが、一体「じゃん」とは何なのでしょうか?

実はじゃんけんの語源については不明確であり、いくつもの説が存在しているようです。

例えば、2人で行う拳遊び「両拳(りゃんけん)」や「石拳(じゃくけん)」、「蛇拳(じゃけん)」などが訛って変化し「じゃんけん」となった説などが挙げられ、正直こういった説を挙げればきりがありません。

また、グーは「グッと拳を握るから」、チョキは「チョキンと切るから」、パーは「パッと広げるから」とグー・チョキ・パーにも語源は日本語であるという説があるが、確かな情報ではありません。

まとめ

じゃんけんの起原は「数拳」「三すくみ拳」と呼ばれる代表的な拳遊びであり、これらは中国が発祥となっています。

しかし、石、鋏、紙の三すくみを用いた拳遊び「じゃんけん」は日本が発祥という事がわかりました。

ただ、誰がじゃんけんを発明したのか?という点は特定できておらず、未だ不明のままのようです。

ちなみに余談ですが、今では有名な話となっていますが「最初はグー」という掛け声のルーツは志村けん、「あっちむいてホイ」は萩本欽一がルーツとなっています。