チーズのイラストなどに描かれているあの穴は何?その正体は?
漫画やアニメに登場するチーズにポツポツと穴が開いているのを見たことがある人は多いのではないでしょうか?
チーズの代表と言えば、カマンベールチーズ、モッツァレラチーズ、チェダーチーズなどが挙げられますが、どのチーズもイラストのチーズのような穴は開いていません。
しかし、イラストとして描かれているチーズは必ずと言ってよい程、ポツポツと穴が開いているあのチーズです。
一体、あのイラストとしてよく描かれるチーズは何のチーズで、あの穴の正体は何なのでしょうか?
ということで今回は、イラストとして描かれるチーズとその穴の正体についてを調査し、その結果をまとめてみました。
あの穴あきチーズの正体について
実際に穴の開いたチーズなんて見たことがない、あれはただのイメージ。
と思っている方も少なからずいるかとは思いますが、あの穴のあいたチーズは数種類ほど実在しています。
よくイラストのモデルとして用いられている、あの穴あきチーズの正体は「エメンタールチーズ」と呼ばれるスイスのエメンタール地方発祥のチーズであり、世界的に有名なアニメ「トムとジェリー」に登場するネズミのキャラクター「ジェリー」の大好物として登場する穴あきチーズもエメンタールチーズです。
「チーズの王様」と呼ばれることもある程、チーズ界では有名なチーズなのですが、日本ではあまり食卓に並ぶことはなく、普通のデーパートではほんの一切れ、または既に加工されたものが売られている場合が多い。
その為、あの穴あきチーズがエメンタールチーズであるという事はあまり知られていないようですね。
ただ、欧米ではエメンタールチーズの認知度が高く、イラストで描いたときにそれがチーズである事を伝えやすくする為に、穴の開いたチーズであるエメンタールチーズを用いているようです。
それが世界的に広まった事で、現在では日本でもアニメや漫画に登場するチーズがエメンタールチーズである事がほとんどと言えるでしょう。
ただ、書いている本人が、そのチーズがエメンタールチーズであると認識している可能性は低いのではないでしょうか…
あのチーズの穴の正体は何?
あの穴あきチーズの正体がエメンタールチーズと分かったところで、次はあの穴の正体についてまとめていきます。
きっとネズミが食べた跡なのだろうと思っていましたが、実はそうではありません。
あの穴は、通称「チーズアイ」と呼ばれるもので、それができてしまう理由については長年によって研究されていたらしい。
まず、1917年にアメリカの科学者がチーズに開いている穴は、乳製品に含まれているプロピオン酸菌と呼ばれる乳酸菌が発生させる炭酸ガスによって生成されるものであると結論付けました。
しかし、チーズアイはチーズ内部にのみできるものであり、チーズ外縁側にはできない。
炭酸ガスが原因であれば、外縁側にもポツポツと穴が開くはずですよね。
更に、もしプロピオン酸菌の炭酸ガスによってチーズアイが出来るのであれば、全体的に穴がポツポツと開くはずだが、エメンタールチーズを含む穴あきチーズの穴は不規則に生成されている。
以上の事から、チーズアイの正体が乳酸菌の発生させる炭酸ガスが原因ではないのでは?と考えた専門家チームが長い時間をかけてチーズアイの真相を突き止めたそうです。
チーズに開いた穴の招待は干し草?
スイス連邦政府の農業研究機関「Agroscope(アグロスコープ)」の専門チームによると、チーズの材料である牛乳に含まれた微量の「干し草」がチーズアイの正体であるという。
近年では、衛生的なチーズ製造によって材料の牛乳に干し草が紛れ込む可能性は皆無に近いが、昔ながらの伝統的な方法(バケツに牛乳をしぼるなど)で牛乳を採取している地方では、材料に微量の干し草が紛れ混んでもおかしくはない。
そして、チーズの発酵過程で紛れ込んだ微量の干し草に含まれる空気と、乳酸菌が発生させる炭酸ガスが結合することによって、チーズ内部に核となる空間を生成し、その空間でさらに乳酸菌が増殖する事で炭酸ガスがたまり、チーズアイが生成されると結論付けられました。
炭酸ガスだけであれば、エメンタールチーズのような大きなチーズアイはできないが、以上の論であれば大きなチーズアイができても不思議ではありません。
また、微量の干し草は牛乳の中で不規則に漂うため、これでチーズアイが不規則にできる謎についても解明されましたね。
更に、チーズの外縁側に干し草があったとしても、外縁側にある炭酸ガスが外に逃げ出してしまうため、チーズ外縁側に穴が開くことはない。
ちなみに、先ほどもチラリと解説しましたが、近年のチーズ製造は衛星的であるため、目立ったチーズアイのついているチーズは少ないそうです。
まとめ
今回の調査で、あのイラストなどで用いられる穴の開いたチーズが「エメンタールチーズ」であり、あのチーズの穴(チーズアイ)ができる原因が「炭酸ガス」と「干し草」によるものだということが分かりました。
ただ、あのチーズの穴が長年の間解明されていなくて、その穴のために長年研究を続けてきた人がいた事に驚きです。
ちなみに1トンの牛乳に対して、干し草を10mg程度混ぜただけでも大きなチーズアイが不規則にポツポツと生成されるようです。
チーズと言えばやはりあの穴なので、地域によっては牛乳にわざと微量の干し草を混ぜて特徴的なチーズアイがあるチーズを作っているかもしれませんね。
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