なんでドラキュラってニンニクが苦手なの?理由は?

歴史

その名の通り、血を栄養源とし人間の血を吸う民話または伝説上の存在「ドラキュラ」。

吸血鬼やヴァンパイアとも呼ばれる事が多く、一般的には悪魔的な存在に位置付けられている為、弱点が聖なる力が宿ってそうな十字架や聖水、日光というのはなんとなくわかるし、イメージもできます。(正確にはドラキュラと吸血鬼は別もの)

しかし、そんな吸血鬼の弱点の中には「ニンニク」というものもあり、これが正直よくわかりません。

ニンニクには悪魔に対抗できそうな聖なる力や光をイメージする事はできませんし、吸血鬼とも全く関係ないように思えます。

という事で今回は、吸血鬼はなぜニンニクが苦手なのかを調査し、その結果をまとめてみました。

ヴァンパイアがニンニクを嫌う訳について

ドラキュラがニンニクを苦手とする理由は、実は明確にはされておらず、いくつかの説が存在していました。

その為、私個人の判断で「これだ!」という事ができません。(めんどくさいパターンのやつです…)

しかし、調査の結果いくつかの説の中で有力とされる説を2つみつける事ができました。

という事で、ここではドラキュラがニンニクを嫌う有力な2つの説を紹介していきます。

ドラキュラは狂犬病の患者説

狂犬病とは動物に咬まれる、傷口や目を舐められるなどが原因で狂犬病ウィルスが伝染して発症する、感染症の一種です。

実は、この狂犬病患者がドラキュラのではないかと仮説が立てられています。

ドラキュラは日光や水(正確には流水や聖水)を嫌い、現在ではよく紳士的なイメージが連想されているが、古くからのヴァンパイアは狂暴・魔獣的なイメージが連想されていました。

狂犬病の症状にも、対光反射の亢進による日光への過剰反応、呼吸や発言に関わる脳の一部がウィルスに侵されることで水を飲むと痙攣や痛みを生じてしまい水を怖がるようになってしまう、脳神経が侵される事で怒りのブレーキが効かなくなり狂暴化するといった物が挙げられ、それらはヴァンパイアの特徴とよく似ています。

※対光反射とは網膜に届く光を調節させる為に瞳孔の大きさを変化させる反射の事。脳神経をウィルスに侵される事が原因で反射による光の調節は狂う。

そして、狂犬病の症状には脳神経がウィルスに侵されることで知覚過敏が起こるというものもあります。

その為、狂犬病の患者は臭いが強い食材の代表格でもある「ニンニク」の匂いに敏感となり、拒否反応を起こすようになるようです。(当たり前ですがニンニクだけとは限りません。)

以上の事から、「狂犬病の症状はドラキュラの特徴と類似している」「狂犬病の患者は刺激的な臭い、たとえばニンニクなどの匂いを嫌う」といった経緯でドラキュラはニンニクが苦手といった設定ができたと言われているようです。

ニンニクは魔除けに使われているから説

ニンニクの持つ刺激的な匂いは魔除けの効果があるとエジプトでは古くから伝承されているようです。

また、ニンニクには刺激的な匂いだけではなく、疲労回復、殺菌力、生活習慣病防止に優れた効果をもっており、病原菌が判明していなかった大昔には薬用植物として利用されていました。

昔は「病気は悪魔の仕業」と言われていた事から、それらを治してくれるニンニクは魔除けの効果があるといった考えに至ったのでしょう。

このニンニクが持つ魔除け効果は、日本を含む世界各国に認知されるようになり、いつのまにか悪魔的な存在であるドラキュラもニンニクが苦手という設定が付いたのかもしれません。

まとめ

他にも「ドラキュラの単なる好き嫌い説」などがありましたが、やはり具体的かつ納得があるのは、以上で挙げた「ドラキュラは狂犬病患者説」と「ニンニクは魔除けに使われている説」が有力みたいです。

ちなみに冒頭のほうでもチラッと説明しましたが吸血鬼とドラキュラは別物です。

ドラキュラというのは、ブラム・ストーカーのホラー小説「吸血鬼ドラキュラ」に登場する男性(吸血鬼)の名前であり、吸血鬼という意味ではありません。

しかし、ドラキュラも吸血鬼も一般的には同様の怪物であると一般的には考えられており、ここでも吸血鬼=ヴァンパイアとしていますので、あまり気にしなくても良いでしょう…多分。