「LINE」って電話やトーク機能が無料なのにどうやって儲けてるの?

社会

今や数多くの日本国民が連絡手段と使っているアプリケーション「LINE(ライン)」

その最大の特徴は、LINE利用者同士であれば電話やトーク機能(テキストチャット)といった連絡手段を無料で利用する事ができ、本アプリケーション自体もインストールが無料という点ですよね。従来であれば電話は「電話料金」、メールは「パケット通信料」と、誰かと連絡をとる手段には何かとお金がかかっていたものです。

今や世代問わず、スマホユーザーのほとんどは自身の端末にLINEをインストールしており、2019年2月時点でLINEユーザー数は国内7800万人、全世界規模ともなれば2億以上と目覚ましい結果を記録しました。
勿論、私もLINEをインストールしてますよ。けどね、友達が少ないからLINEの恩恵を強く実感する事がないんです……

まぁ、そんな事はさておき、私がこのLINEに疑問を感じたのは「LINEって無料なのに提供側はどうやって儲けてるの?」という点です。技術の進歩に伴い、LINEもアップデートが必要です。ただ、それには必ず技術料などの諸費用が発生します。まさか「国民のために」という愛国心を軸に火の車で運営している…とも思えません。

では、一体LINEはどのような仕組みで設けているのでしょうか?今回はその点についてを調査し、その結果をまとめてみました。

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そもそもLINEの電話やチャットはなぜ無料?

電話やメールなどには必ず料金がかかるもの。しかし、LINEはそれらの料金は一切徴収していない。という事はLINEさんが自腹で私達がバカスカ使った電話やトーク機能(テキストチャット)の料金を支払っているのでしょうか?

いいえ、そんな事はありません。そんな事したらLINEは即座に倒産します。

では何故、LINEは無料で通話やチャットができるのか?本件の疑問からすこし脱線しますが、まずはその点から解説していきたいと思います。
「知ってる」という方は適当に読み飛ばしてください。

まずは電話料金が発生する仕組みから解説

従来の方法でスマホから電話した場合、私達が電話に発した声は電気信号に変換され無線で基地局とよばれる施設に飛ばされます。電気信号はこの無線基地局を通ると、次は無線ではなく有線ケーブルを伝って電話の相手からほど近い無線基地局へと送られ、そこから無線で相手の電話へと送られ、電気信号が「音」に変換されて相手に声が届くのです。

だから?ですよね…はい。簡単に説明すると、無線は一般道、有線は高速道路、無線基地局は高速道路の料金所とでも思ってください。ざっくり簡単に説明すると、電話から送られた電気信号が有線にのる度、無線基地局は電話の発信者に料金を請求するのです。これが「通話料」という奴です。高速道路に乗るとお金がかかるのとほぼほぼ同じ仕組みです。

以上の仕組みから、従来スマホで電話する場合は通話料というものが発生するのです。

次にLINEで電話する仕組みを開設

一方、LINEの場合は従来の「電話の仕組み」とはフローが大きくことなり、「インターネット」を通じて相手に電気信号が送られる仕組みが取られています。
この仕組みを「VoIP」と呼びます。Voice over Internet Protocol(ヴォイス オーバー インターネット プロトコル)の略称で、ざっくり簡単に分かりやすく訳すと

インターネットでデーター通信を行うお約束事で、音声データーを転送するよ!

という技術の事です。分かりずらいですよね……

ネットワークを介して通信を行う際、必ずその通信を行う上での「お約束事」が存在しているんです。例えば、高速道路で走る時も「80km以下のスピードで走ってね」というお約束事がありますよね。この約束事がプロトコルです。

でも、誰しもがこの約束事を守れるって訳じゃなかったんです。高速道路も自転車では走れないでしょ?それは高速道路に「車で走ってね」というプロトコル(お約束事)があるからです。しかし、技術の進歩により、音声データーもインターネットのデーター通信のプロトコルで転送できるようになったのです。

前置きが長くなりましたが、LINE電話はインターネットを介して送られるという事です。この技術はLINEだけではなく、SkypeやIP電話にも取り入られている技術です。冒頭が「050」の電話番号を見た事はありませんか?あれはIP電話の電話番号なのです。

最後に、LINEが無料の仕組みを解説

インターネットを介しているからといって無料という訳ではありません。インターネット通信には「データー通信料」というものが必要になります。これは絶対です。「LINEだからサービスしちゃうよ!」なんて事はありません。ではなぜLINEは無料で通話できるのか?やはりLINEは数千万人分のデーター通信料を肩代わりしているのか?いいえ、そんな事はありません。

では何故、無料なのか?それは我々が利用しているスマートフォンの大半が「パケット定額プラン」に加入しているからなんです。パケットとはインターネット通信技術の一つで、ざっくり説明すると「インターネットのデーターを細かく分割して送受信する技術」がパケット通信です。複雑で難しい技術なので「インターネットと通信する為の手段」とでも捉えてもらって問題ありません。

本来、パケット通信はやればやるほどお金がかかる「従量課金制」でしたが、スマートフォンの「どんなに使っても、どんなに使わなくてもパケット通信料はこの料金」というプランのおかげで、定額制となりました。

ここまで説明すれば分かりますよね?どんなにLINEで電話しても無料なのは、どんなにパケット通信しても料金は定額というプランに加入しているからです。

散々、LINEは無料と言ってきましたが、これは「実質無料」という意味です。パケット通信定額プランに加入していなければLINE電話やトーク機能が有料になります。

では、LINEはどのように儲け(利益)を出しているのか。

本当はLINEの電話やトーク機能ってこっそりお金かかってるんじゃないの?とも思いましたが、LINEは上記で説明した通り、本当に無料です。要するに、何千、何億もの人がLINE電話やトーク機能を利用してもLINEに利益はありません。

しかしながら、LINEの提供元であるLINE株式会社の2017年12月通期決算は、売れ揚げ収益が1671億円と流石の儲けっぷりだった。

LINEのメインともいえる「電話」や「トーク機能」を無料で提供しているのにも関わらず、LINE株式会社はどのようにしてこれだけの利益を叩き出しているのでしょうか?

LINEの利益その1:スタンプ

LINEを利用しているユーザーなら誰しもがご存知、「スタンプ機能」

端的な文字のみのやり取りが続くトーク機能に可愛いイラストを挿入するというシンプルな機能ではありますが、相手の喜怒哀楽を掴みにくい文字のみコミュニケーションでは、こういった「絵文字」のような機能は大いに役立ちます。(メール機能で言うところの「デコメ」といったところでしょうか…)

LINEスタンプでは、人気のアニメや映画のキャラクターを用いたものから、素人が作成した「クリエイターズスタンプ」などを合わせ、10万種類以上ものスタンプが存在しており、そのバリエーションは日々増え続けています。最近では「人気クリエイター」といったLINEスタンプ職人みたいな人も現れ、LINEスタンプの制作だけで月100万円以上の売上を叩き出しているクリエイターさんもいるらしいです。羨ましいですね。

本題に戻ります。以上で紹介したLINEスタンプは無料で利用できるものも存在していますが、ほとんどは有料です。ただ、LINEスタンプの値段は大体120~240円とかなりリーズナブル。「このスタンプ欲しいなぁ」と思えば気軽に購入できてしまう価格設定なので、多くのユーザーが購入しており、それがLINEの利益となる大まかな部分を賄ってくれているようです。

冒頭でも話しましたが、LINEユーザー数は国内7800万人(2019年2月時点)、全世界で2億以上です。これを前提に考えれば、リーズナブルな価格設定のLINEスタンプでも大きな利益となっているのは納得がいきますね。

LINEの利益その2:ゲーム

LINEが最も利益を出している要素が「ゲーム」です。

有名なものを上げると「LINE:ディズニーツムツム」とか「LINE:ポコポコ」とかですね。LINEから提供されているゲームはいずれも無料でダウンロードする事ができるのが特徴なのですが、ゲーム内での課金要素はあります。この課金要素が実はLINEの利益として最も大きいコンテンツとなります。

課金とは、言うまでもないでしょうが、ゲーム内のアイテムをゲーム内のお金ではなく、普段実際に利用しているお金(リアルマネー)で購入するという事です。

LINEのゲームアプリは、テトリスやパズルといったシンプルな要素のゲームがほとんどで、それらのゲームで記録したスコアをLINEアプリで友達登録している人と共有できるという特徴があります。簡単に言ってしまえば「LINEの友達とゲームのスコアで競い合う事ができる」という事ですね。

この「競い合う」という要素がユーザーの闘争心に火を付け、課金に繋がるケースが多いようです。また、LINEゲームには可愛いキャラクターが多く、特にディズニーツムツムは魅力的かつ可愛いディズニーのキャラクターが多いので、自分の好きなキャラクターを手に入れる為に課金するというケースも多いみたいですよ。

LINEの利益その3:広告

広告もLINEの利益となっている主要要素の一つです。

広告による収入というのは、そうですね……例えば私が「うまうまケーキ」を作ったとして、それを世間に認知してもらうために広告を作成したとしましょう。私はできるだけ多くの人に広告を見てもらいたいと思ったので、人気のLINEさんに「うまうまケーキの広告をLINEさんのアプリ内に掲載していい?」とお願いしました。

するとLINEさんは「月額5万円で掲載してあげるよ」と提案してきました。なので、私はその条件に承諾してLINEさんに「うまうまケーキ」の広告を掲載してもらう事にしました。

これでLINEさんは私から毎月5万円の利益をえる事ができます。これが「広告収入」です。

実際はこんなに簡単な仕組みではないと思います。寧ろLINE側が「あなたの企業の広告を貼らせてください!」とお願いする側かもしれません。LINEがどのような流れで広告収入を得ているかは知りませんが、あまり具体的な事は考えなくていいと思います。

重要なのは、LINEに広告を掲載してもらっている企業がLINE株式会社にお金を払い、それが収益になっているというのが大切なのです。

ちなみに、LINEでは「使い勝手が悪くなる」という利用者への配慮を理由に、トーク機能の画面上で広告を掲載していません。なのであまり広告が目立たないのですが、よく見れば「タイムライン」や「ニュース」などのメニューにちらほら見受けられるので、気になったら見てみて下さい。

まとめ

まぁ、「LINEは自腹で私達にLINEという便利アプリを提供している」なんて訳ないでよね。ちゃんとLINEが儲かっている仕組みは存在しています。

本記事ではLINEの儲けとなっている主な要素「スタンプ」「ゲーム」「広告」を上げましたが、それ以外にもLINEの利益となっている要素は沢山存在しています。

LINEマンガとかLINEミュージックとかの有料コンテンツも多数取り揃えていますからね。他にもLINEスタンプから生まれたキャラクター(LINE FRIENDS)のグッズや、LINEが開発したAIアシスタント機能を有したスピーカーの販売利益(AIアシスタントはiphoneのSiriとか、AmazonのAlexa(アレクサ)の事です。)などなど。

その事業内容は我々が普段りようしている「LINE」だけではありません。当然ですよね、大手企業ですから……

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