太陽が夕方になるとオレンジ色に見えるのは何故?
仕事がうまく行かず、喫煙所で一服しながら夕日を見つめ黄昏ている時にふと思いました。
地球から見える太陽の色って日中帯は黄色が混ざったような白色をしていますよね。
しかし、太陽が西に沈む夕方になると、色は次第にオレンジ色となっていきます。
一体なぜ、太陽の色は昼と夜で大きく異なるのでしょうか?
そこで今回は、太陽が西に沈むにつれてオレンジ色になっていく理由についてを調査し、その結果をまとめてみました。
太陽の色がオレンジ色になる仕組み
私たち人間が見ている光の色は、目の網膜が光の波長(電磁波)を認知し、その波長の短さや長さの情報を基に脳が色を認識します。
網膜が認知できる光の波長はおおよそ380nm~780nmほどであり、この波長をもつ光の事を「可視光線」と呼びます。
可視光線の色は波長の短い順から紫、青紫、青、緑、黄色、橙色、赤色となり、一般的には七色や虹色と言われているものになります。
長い光の波長が網膜を認識すると脳は赤に近い色を認識し、短い光の波長が網膜を認識すると脳は青に近い色を認識するのです。
以上で紹介した光の波長こそが、夕方と昼で太陽の色が異なる疑問を解決する1つ目の鍵となります。
そして、2つ目の鍵が太陽光が地球の空気層(大気圏)を通る距離の長さです。
空気層(大気圏)と太陽光の色の関係
太陽光が私たちのいる場所まで届く間に、必ず地球の空気層(大気圏)を通過する事になります。
日中であれば、太陽は私たちの真上にある為、空気層を通る距離は短めですが、夕方は太陽が私たちから横に位置する為、空気層を通る距離は長くなります。
分かりにくいという方は、道路を思い浮かべてみて下さい。
この道路を渡る際、真っすぐ渡れば距離は短いですが、ななめに渡る場合は距離が長くなりますよね。
以上のように、光が空気層を通る距離が遠ければ遠いほど、空気層の中に漂う細かい塵と光の波長がぶつかり光があちこちに散らばってしまうのです。
この塵と波長がぶつかることで光が散らばってしまう事を「レイリー散乱」と言い、日中帯に太陽の光が白く見え、夕方に赤く見えたりするのはレイリー散乱が原因と考えられます。
日中は太陽光が空気層を通過する距離は短く、ほとんどの光の波長は地球上の私たちに届きます。
それら複数の波長がもつ色が混ざり合った結果、太陽はすこし黄色がまざったような白色に見えてしますのです。
波長が短ければ短いほど光は散乱しやすい為、以上のイラスト(下手ですいません…)を見て分かる通り、波長の短い青に近い色が空気層の中で多く分散しています。
その為、日中帯は空が青く見えるのです。
空気層(大気圏)を通る距離が長いと…
太陽光が空気層を通る距離が短い場合、短い光の波長が持つ青に近い色が多く分散して空は青色に。
そして、太陽の色は空気層を抜けた様々な色を持つ光の波長が混ざり合い、黄色っぽい白色になります。
しかし、この空気層を通る距離が長ければ、それだけ光の波長が塵とぶつかりやすくなりますので、空気層をすり抜けやすい長い波長をもった赤、橙、黄も光を分散し始めます。
また、青にちかい色をもつ光の波長は短い為、遠い距離まで光を届ける事ができません。
その為、太陽光が斜めから差し込む夕方の太陽の色は、遠くまで届く長い波長をもった赤色が目立つようになり、空は大気中で分散した赤に近い色が私たちの目に映し出されます。
まとめ
太陽の色は紫、青紫、青、緑、黄色、橙色、赤色と沢山の色が混ざって黄色に近い白色に見えています。
しかし、夕方になると太陽光は斜めに差し込む為、その分地球の空気層(大気圏)を通る距離が長くなります。
そうなると、青に近い色をもった短い波長は、空気層の塵などにぶつかり通り抜けしにくくなるのです。
一方、赤に近い色をもった長い波長は、短い波長と比較して空気層を通り抜けやすい為、空気層では青の波長が少なく、赤の波長が多いという状況ができあがります。
その為、私たちの脳は夕方の太陽を赤や橙、黄色と認識するのです。
日中は空が青く、夕方は空が赤いのも、この光の波長によるものが原因のようですね。
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